高齢になると、体の機能が少しずつ変化し、「喉の渇きに気づきにくい」「水分の吸収が遅くなる」などの理由から、脱水症状を起こしやすくなります。とくに夏場だけでなく、冬でも暖房によって体は乾きやすくなっており、一年を通して水分補給には気を配る必要があります。
今回は、高齢の方が無理なく・おいしく水分をとれる飲み物をご紹介します。日々の介護や家屋の健康管理の参考にしてくださいね。
なぜ高齢者は水分不足になりやすい?
高齢者は加齢によって「喉が渇いた」と感じる機能が低下しているため、自分から水分をとる量が減ってしまいがちです。また、トイレの回数を減らしたいと考えて、意識的に水を控えてしまうケースも少なくありません。
その結果、脱水症状・便秘・尿路感染・熱中症などのリスクが高まります。だからこそ、日頃からこまめな水分補給がとても大切なのです。
高齢者におすすめの飲み物5選
では実際に、どのような飲み物が高齢者に向いているのでしょうか?ここでは飲みやすさ・体への負担の少なさを考慮したおすすめを5つご紹介します。
白湯(さゆ)
温かいお湯を冷ましただけの白湯は、消化にも優しく、体を冷やさずに水分補給ができます。朝起きた直後や食前に飲むと内臓が温まり、便秘予防にも効果的です。
麦茶
カフェインを含まない麦茶は、高齢者にぴったり。夏場の水分補給には特におすすめで、香ばしい風味が好まれることも多いです。
経口補水液(OS-1など)
脱水症状が疑われるときや、暑い季節、体調不良時におすすめなのが経口補水液。水だけでなくナトリウムや糖分を適切なバランスで含んでいるため、体に吸収されやすいのが特徴です。日常的に飲むにはやや塩分が強いので、必要な時だけ使いましょう。
フルーツ水(レモン水・いちご水など)
「水は味がなくて飲みにくい」と感じる高齢者には、果物を少し入れて香りづけしたフルーツ水が人気です。見た目も華やかで、楽しみながら飲むことができます。
ゼリー飲料・水分補給ゼリー
嚥下(飲み込み)に不安がある方には、ゼリータイプの飲み物も便利です。とろみがある分、誤嚥リスクを抑えられます。水分補給専用のゼリー商品も市販されており、介護施設でも活用されています。
まとめ:こまめな声かけと、飲みたくなる工夫を
高齢者にとっての水分補給は、意識的に促すことが重要です。
「喉が渇いてから飲む」では遅いこともあるので、家族や介護者がこまめに声をかけたり、飲みやすい環境を整えたりすることが大切です。
水やお茶だけでなく、フルーツ水やゼリー飲料など、その人に合ったスタイルで楽しく水分をとれる工夫を取り入れてみましょう。
水分は、元気な毎日を支える大切な”栄養”。今日から1杯の水をもっと大切にしていきませんか?
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